協調性と濡れマンホール
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毎日自転車通勤をしている。
雨の日どうするかというと、去年はほぼ傘さして徒歩で通勤していた。
最近はそれも面倒なので、レインウエア着て自転車で爆走している。
危ないのがマンホールとか側溝の蓋とかの金属の部分。
濡れるとこれがよく滑る。以前はよくこけていたが、最近はそうでもない。
意識せずとも体が勝手に動く。
「これが協調化っていうやつだな」
研修会で話すときにこのたとえ話を使おうと思い、まとめておく。
①初めての濡れマンホール
- 普通に突っ込む
- 前輪が滑るのを感じる
- ぐらっときたのを慌てて修正
- 思わずブレーキ、倒れないように手足を突っ張って防御
- 当然コケる
2→3→4がフィードバック回路。体性感覚に反応してなんとか自転車を立て直そうとするが、錐体路からはコントロールできず、原始的な集合パターンで身を守るしかできない。
②自転車慣れした濡れマンホール
- 普通に突っ込む
- 前輪が滑るのを感じる
- ぐらっときたのを慌てて修正
- 体を立て直そうとバランスを保つ
- やっぱりコケる
これもフィードバック回路。ただ、小脳が関与して全身の筋緊張を制御する。運動野から錐体路を通る命令は一度に3つの筋しか制御できないと言われている。自転車運転時の姿勢制御を参照してバランスを立て直そうとするが、マンホールで滑る寸前ってのは通常の自転車運転とは違う状態なので、修正が間に合わずやっぱりコケる。
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③何度もこけた末の濡れマンホール
- 滑りそうなマンホールを認識
- 進行方向を予測し、カーブは直前で終えて、減速も終了させ、等速直線運動で突っ込む
- そのまま通過
- 今度はコケない!
1→2→3がフィードフォワード回路。何度もこけた結果、状況を認識してすぐ、フィードバックの結果成功しそうな制御をあらかじめ準備してすぐに発動する。小脳を介したフィードバック回路を組み込んでいく感じ。
④気にもならない濡れマンホール
- マンホールらしきもの発見
- 普通に通過
認識したとたん運動制御されている状態。上記③の2を意識せずとも適切な運動は行われる。
様々な濡れマンホールを通過した結果、一つのパターンとして回路が出来上がり、それにスイッチを入れればオートマチックに発現する。
時々違う状況のマンホールに遭遇するも、出来上がったパターンとの差分を補完することで対応できるため、成功は容易になる。そして違う状況のマンホールに対応するパターンも出来上がり、回路は無数に増えていく。
これを協調化という。
で、合ってるんかいな。
どなたかご指摘くださいませ。