作業療法士が医学的リハビリテーションでものすごく活躍できる理由

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日本の作業療法士は病院で働いている人がものすごく多い。今でこそ、りはびり、りはびりって言って、理学療法士と区別つかないようなことやっている作業療法士が多いけど、作業療法士はもっと自分たちの特性に気づいたほうがいいんじゃないかと思うのです。

作業療法士が医学的リハビリテーションでものすごく活躍できる理由

Rehabilitationとは

「こんにちは! りはびりの○○です!」
「○○さん、りはびりの時間です」
「さあ皆さん、今日も元気に、りはびり体操です!」

なんて言葉が横行していますが、そもそもリハビリテーションとは下のように使われる言葉なんです。

リハビリテーションの定義(世界)

ちょっと古いですか? でもこのようなものとして始まったのがリハビリテーションです。

ちなみに日本では...。

リハビリテーションの定義(日本)

こんな風に言われてました。

日本に理学療法士・作業療法士法ができたのが昭和40年。西暦で1965年です。当時の厚生省の見解が上の段。「社会復帰」と言っていますね。

ちょうど60年代アメリカは神経生理学的手法が大流行してました。神経と筋肉の仕組みが徐々に解明されて、Physical Therapyとして運動障害の治療技術が次々と開発された時期です。

これが日本で流行り始めたのはその10年後くらい。

理学療法士と作業療法士が兄弟として生まれた日本では、作業療法士もその色に染まっていきます。

※Physical Therapyの日本語訳が理学療法であり、Occupational Therapyの日本語訳が作業療法です

そんな状況に苦言を吐いてるのが下の段かもしれませんね。

この辺の歴史を紐解いていくといろいろなことが見えてきて非常に面白いのですが、長くなるのでそれはまたの機会に。

医学的リハビリテーション

理学療法士及び作業療法士法には、

この法律は、理学療法士及び作業療法士の資格を定めるとともに、その業務が、適正に運用されるように規律し、もつて医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。

理学療法士及び作業療法士法 昭和40年

とありますが、「医療」については、

ただ、理学療法士及び作業療法士の資格制度の創設によつて普及され、向上される医療というのは、改めていうまでもなく、医療一般ではなくてあくまでも身体または精神に障害のある者に対する医学的リハビリテーションである。

『理学療法士及び作業療法士法の解説』厚生省省医務局医事課 編 ,昭和40年

と解説しています。

「医学的リハビリテーション」

医学+的+リハビリテーション

リハビリテーションの医学の側面からの取り組みって理解すればよさそう。障害のある人の社会復帰を医学的に支えましょうってことですね。

作業療法士の視点

前回の記事に書いた図です。

なんのこっちゃ? と思った人は、下の記事を見てください。

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相即ってのは、社会・文化的次元で見ればOccupationと同じだと思うのです。

Occupationが適切にあるかぎり、その人は主体であり続ける。Well-beingという意味での「健康」と言ってもいいかも。

アクチュアリティとか意味の世界とか書いてありますが、まぁ、気にせんでよいです。

Occupationという「動き」に取り囲まれるようになってるところに「主体」が現れる。

それが、例えば病気やケガを負って有機体としてのヒトが危機に瀕したとき...。

有機体の恒常性は失われ、こんななってしまう。

なんか寂しい(;’∀’) このままじゃ死んじゃいそう。意識不明。

急場を脱して少しずつ回復。ICU入院中みたいな感じ。まだ、恒常性の回復とまで至ってないけど、少しずつ外界に反応してきたり。

さらに回復して生命の危機的状況からは脱出。でも、手が動かなかったり、しゃべれなかったり、歩けなかったり。なかなか環境世界との関わりがうまくいかない。
この回復スピードじゃ後遺症も残りそう。

後遺症残しつつも環境世界と、まずまずかかわることができてきた!

かかわることで主体として生きはじめ、かかわることで有機体の恒常性を保つこともできる。

あとは自動運転。医療から離れていきます。

同じでしょ?

医学的リハビリテーションと。

環境世界との関わりは相即でありOccupationでありその人を主体とならしめるもの。

そして、病気やケガなどでOccupationを失って主体として生きられなくなった人が、主体としての生き方を取り戻すこと。

それはリハビリテーションそのものじゃないかと思うのです。

だから、医療のなかでOccupationを知っている唯一の専門職である作業療法士は、医学的リハビリテーションにおいてはものすごく活躍できるはずなんです。

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