リハビリテーションとハビリテーション
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Rehabilitationという言葉
Rehabilitationとはなんぞや。
1. to help someone to live a healthy, useful, or active life again after they have been seriously ill or in prison
2. to make people think that someone or something is good again after a period when people had a bad opinion of them
3. to improve a building or area so that it returns to the good condition it was in before → renovate
らしい。
ちなみにロングマン英英辞典の記載。
何か悪い状態になったものを元の様に戻していくってニュアンス。
この辞書に載っているニュアンスってのは、あくまで一般用語としてのニュアンスなんですね。
あくまで一般用語って、どういうことかというと、
ふと立った時にクラクラっと。
そう、立ちくらみ。
うちの嫁、立ちくらみなりやすいらしく、
「貧血気味なのよね~、レバー食べよっと」
なんて言っている。
まぁ、レバー食べて悪いことないから何も突っ込みませんけど。
それ、貧血じゃなくて虚血です。
血液の問題というより自律神経の問題。
それが、一般用語と医学用語の違いです。
普通の会話で
「貧血じゃないよ、虚血だよ」
なんて言って、わざわざご機嫌を損なう必要はないけど、
カンファレンスの場で、
「貧血がひどくて急な立ち上がりに注意です」
なんて言ったら笑われてしまうわけです。
んじゃ、Rehabilitationは保健領域でどう定義されるかっていうと、
2011年、WHOです。
http://who.int/disabilities/care/rehabilitation_guidelines_concept.pdf
3ページ目、DEFINITIONSのあたり。
直訳すると、
となる。
環境との相互作用ってところを重視するように変わってきたのは、障害者団体などの、個人の能力は社会との関係の中でとらえるべし、という主張を受けてのことでしょうかね。
1980年の世界リハビリテーション会議では、リハビリテーションを障害者の能力を発揮させるための障害者個人への援助であるという点に加えて、それは、社会の中にインテグレートさせるものであるということが強調されてました。
他にもいろいろ定義している団体はありますが、WHOの定義が基本だと思います。特に保健領域で働く我々(理学療法士・作業療法士)にとっては最も重視すべきものでしょう。
日常会話では別ですよ。
ハビリテーションという言葉
HabilitationをとりあえずWEB版のDictionaryで調べてみると、
OALD
http://www.oxfordlearnersdictionaries.com/
・・・ない。
マクミラン・ディクショナリー
http://www.macmillandictionary.com/
・・・ない。
ロングマン・オンライン・ディクショナリー
http://www.ldoceonline.com/
・・・ない。
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ケンブリッジ・ディクショナリー
http://dictionary.cambridge.org/dictionary/
・・・ない。
どこ探してもな~い。
ないんですよ!
Wikipediaに載ってたのは、大学の教育課程のような話。
職場にあった見るからに怪しいラテン語語源辞典だと、
habilitare=to make fit
となっている。
もしかして、存在しない言葉か!?
でも、論文検索するとhabilitationで無数に引っかかるので、
存在しないわけではなさそう。
医学的には定義されているけど、まだ市民権を得ていないからオンラインの英英辞典には載っていないということだろうか?
だれか、明確な定義を知っていたら教えてください。
リハビリテーションとハビリテーション
Habilitationという言葉が使われ始めたのは1950年代らしい。
生まれながらに障害のある子どもたちに対して、Re-habilitationという、元に戻すという意味合いの言葉はそぐわないということからだという。
歴史を紐解くと、Physical Medicine and Rehabilitationの始まりは、物理的手段を治療に用いようとしたDr.Krusenと、原隊復帰を早めようと戦傷兵のけつをひっぱたいたDr.Ruskの出会いと言える。
冒頭に述べた、seriously ill や in prisonからの復活というイメージは、まさに、収容所の戦傷兵なのだろう。
生まれながらの…というイメージではないわな。
少なくとも名誉回復したジャンヌダルクではない。
だからHabilitation。納得。
ただし、日常語としては、です。
リハビリテーションとは、
これには、ハビリテーションと言われている領域も矛盾なく含まれているような気がするなぁ。
「ハビリテーションかリハビリテーションか?」
という話を聞くと、
「これ肉じゃなくて筋(スジ)でしょ?」
と患者さんに聞かれた時と同じ違和感を感じてしまうわけです。
定義されていたRehabilitationという言葉を日常語として解釈してしまった専門家が、「そりゃちがうでしょ」って新しく言葉を作り上げてしまったという状況を想像してしまうのです。
と言っても、詳しくは調べていないわけで...
はっきりと書かれているものあったら教えてください。