高齢者の急変対応 介護現場のPT/OT 知っておいたほうが良いこと

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目の前で患者さんが急変。できることなら出会いたくないシチュエーションです。
きちんと対応できますか?
入院患者さん、ここ10年でずいぶん高齢者の方増えたような気がします。
老健施設なんかでは、入所者の高齢化が顕著に表れています。
老健だと看護師さんの数がすくなくて、介護の手伝いしててなかなか駆けつけられなかったり。
そんな時、介護士さんたちが助けを求められ…。特に、食事中の急変だと誤嚥と勘違いしてSTが呼ばれたり。
でも、明らかに誤嚥じゃないことまではわかるんですよね。「あ、意識飛んでる…」って。でも看護師はいない。どうします?

こんな事例

食事時間中、「○○さんが様子おかしいんです」と介護士さん。
「誤嚥か?」と思って駆けつけてみると、多量の発汗、意識消失、痛覚に反応なし、JCS3桁!!
Pulse120、呼吸は…胸郭は動いているが、呼気の流出はない。

舌根沈下で気道閉塞です。

「NsとDr呼んできて!」

と言ったものの、待ってる間チアノーゼが現れ…。

ぞっとしますね。どうしますか?

まず行うこと

最初にすべきことは、NsとDrを呼んでくるように誰かに指示を出すこと
そのあとvital signの確認です。このくらい無意識でできんといかん。

意識レベル

JCSで言えば、何やっても目を開けないのが3桁、何もしなくても目を開けている(けどボーっとしている)のが1桁、その中間で、刺激を与えれば目を開けるのが2桁。
一刻を要するような急変は、JCS2桁か3桁なので、痛みを与えて開眼するかどうかで見ればよろしい。
相手の爪を自分の爪でぐいっと押して目を開ければ2桁、目を開けなければ3桁です。

血圧・脈拍

血圧計なんて用意してる場合じゃないから、すぐに頸動脈を触知。触れられればおおよそ収縮期血圧60mmHg以上。触れられなかったら即CPR。心臓マッサージ優先です。ちなみに、橈骨動脈に触れられればおおよそ収縮期血圧80mmHg以上です。
脈拍が感じられたらついでに脈拍数も数えます。
が、60秒間数えているような悠長なことやってられないので、不整の有無と脈の間隔からおおよその脈拍数を計算します。
普段から脈拍測るときにトレーニングしとくといいですよ。

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呼吸

呼吸をしているかどうか、意識レベルを確認しながら胸郭の動きを見ます。自分の手が空けば口鼻の前にかざして、空気が出入りしているか確認。舌根沈下があると、胸郭は動いていても空気は動いていないことがあります。

その他の生命徴候

患者さんの体に触るついでに、体温や発汗の状態や筋の緊張状態などを確認しておきます。

ここまで、道具がなくてもできるvital check。長くても15秒くらいでできるようにしましょう。

気道確保

PT/OTが直面する急変状態で多いのは、「突然の意識消失」じゃないでしょうか。意識障害が深くなると舌根が落ち軌道をふさぎます。NsやDrが来て救命措置を始めるまでの間、何とかしなければなりません。
気道確保手技はいくつかあるので知っておいたほうがいいです。

気道確保手技

step_3_a

頭部後屈あご先挙上法(図右)
一番メジャーな方法で効果が高いといわれています。頸椎に障害がある場合は適しません

下顎挙上法(図左)
頸椎に障害がある場合にも使えます。ここから開口させるとなおさら効果的です。

図と反対側から入って顎関節の近くで示指、中指で下顎骨を挟み、腹側へ滑らしながら拇指で下顎を引き下げるとROM最終域まで開口します。

Triple airway maneuver
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麻酔科で気道確保をするときに使う手技だそうです。
頸部伸展、下顎挙上、開口を同時に行います。
顎関節の運動学を知っていれば、PTにとって開口させるのは簡単ですね。

NsやDrが来たら状況報告をして代わってもらいましょう。
これでPT/OTのお役目終了です。

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